縄文的価値観
もう10年くらい経ちますが、奈良県吉野郡川上村の上多古川林道を行き止まりまで遡りました。その周辺の植生が不自然に感じたので、帰途に川下の集落で古老に尋ねました。矢納谷出合と呼ばれる周辺は、戦後ある時期までブナ林に覆われていたそうです。
その後林道の延長につれて皆伐されたそうです。
写真は川沿いの七尋滝ですが、杉が植林されているのですが、こんな奥地でもご覧の通りです。この風景から何を感じ取るかは主観的なものですが、原生に近い自然林が伐採されて杉が植林されたことを知る私は、元の植生を想像して現在の貧相な植生を嘆いてます。
専門家の調査によれば(北村昌美|1995)、日本人には針葉樹の一斉林好みの傾向が強いとのこと。杉林の林相が広葉樹に比べて整然として秩序だっているというので日本人好みだそうだ。しかし、それは太古の昔から広葉樹の中で暮らしてきた、日本列島の原住民の価値観ではなく、征服者とその子孫の価値観を反映しているに過ぎない。ここ吉野川の流域には、近年に縄文時代の遺跡が発掘されたし、国栖の伝説で有名な原住民が、古墳時代にもなお石器時代のような生活をしていたのである。この秋にも、また上多古川林道を遡り、古老の住んでいた集落を訪ねてみたい。
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