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うんざりする杉の植林

自分のよく出かける関西の山間フィールドには、杉の植林が圧倒的に多い。中には吉野郡のような歴史の旧い植林地帯も少なくないが、目立つのは戦後の拡大造林の時代に植林された森林である。元々の植生は平地から山麓にかけて常緑照葉樹で、奥地は落葉広葉樹に違いなく、奥地ではブナ林も珍しくなかったであろう。

杉や檜一辺倒の植林の歴史は古く、奈良時代から寺社建築のため杉や檜材の需要が高まっていた。ただし当時植林技術があったとは考え難く、あっても規模は小さくて、大規模な植林は近世以降とされる。そして昭和の敗戦後しばらくして、山地の至る所を杉の植林で覆い尽くしたのである。戦時中の乱伐に加えて、山地にも人手が余っていたので、その進捗ぶりは異様であったろう。

中部から東北日本に盛んであった、いわゆる拡大造林の典型は関西では少ない。国有林ではなく主として大規模な民有林、および山村の小規模な私有地や共有地に、杉(一部は檜)を植え尽くしたのである。したがって林野庁のような官主導ではなく、地主とか森林組合、農協とか商工会が主導したと言い得る。その結果として、今日に見る単調で貧相な植生と花粉症の源が形成されたのであるから、これは取り返しのつかない、回復不能な昭和の愚挙であった。

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